天下の奇祭として知られる護法祭(国選択無形民俗文化財)が14日夜、美咲町の二上山・両山寺であった。神が乗り移った護法実(ごほうざね)が暗闇のなか、境内を駆け回った。
起源は鎌倉時代の1275年、時の住職が受けたお告げ。護法善神という神が鎮守する土地を見回るため人に乗り移り、身心不浄者は捕まって災いがあるとされる。天下泰平、五穀豊穣(じょう)を祈願する山伏の行事として引き継がれ、今年が747回目。
ゴーサマの呼び名で知られる護法実は8年連続で津山市出身の白川晃太郎さん(49)=大阪市=が務め、1週間寺にこもり、身を清めてきた。
本堂で修験者の祈祷(きとう)が続く中、午後11時半ごろ、護法善神の使いであるカラスの憑(つ)いたゴーサマが飛び出し、■お遊び■の始まり。地面に置かれたたいまつが境内を照らすなか、鳥のように手をはばたかせながら縦横無尽に駆け回り、逃げ惑う人も。約40分続いた儀式の後、再び本堂に戻った。
赤磐市から家族3人で来ていた山陽小6年の橋本優愛さんは「最初は怖かったけれど、走っている人は不思議な感じがした。また見てみたい」と話していた。
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縦横無尽に境内を駆け巡るゴーサマ
美咲町 護法祭(国選択無形民俗文化財)