脱炭素・持続可能な村へ 村内初のPPA太陽光発電 「みらい」運用開始/岡山・西粟倉村

経済・産業 構造改善センターに取り付けられたソーラーパネル=西粟倉村百年の森林でんき提供
構造改善センターに取り付けられたソーラーパネル=西粟倉村百年の森林でんき提供
         

 岡山県英田郡西粟倉村の構造改善センターで15日、村内初のPPA(電力購入契約)形態を導入した太陽光発電設備の運用が始まった。一社・西粟倉村百年の森林でんき(寺尾武蔵代表)がPPA事業を運営し、地方創生と脱炭素社会の実現を目指して設備の普及を進めていく。

 屋根に380ワットのソーラーパネル81枚、施設内にリチウムイオン蓄電システム(容量約32キロワット)を設置。パネルは1時間で最大約30キロワットの発電量が見込まれているほか、蓄電池は1キロワットアワーの消費量で約27時間施設に電気を供給できるようになっている。センターは西粟倉むらまるごと研究所と放課後児童クラブが利用しており、余った電力は電力会社に売ることも可能。総工費は約3400万円で、費用は同社と村の資金、国の補助金が使われている。

 この日は同所で落成式が開かれ、関係者28人の前で青木秀樹村長が「エネルギー自給率を100%にし、自立した持続可能な村をつくっていこう」とあいさつ。その後、西粟倉小学校6年12人が自分たちで考えた発電設備の愛称「みらい」を発表し、「今頑張れば未来が良くなる」「未来の人たちに幸せになってもらいたい」と名前に込められた思いを語った。

 最後に、児童代表2人と青木村長らがスイッチを押してシステムが始動。6年の西岡想太君(11)と草刈奈々さん(11)は「豊かな自然を守っていけるように環境に優しい太陽光発電を使う人が増えてほしい」「電気代を気にせずに使えるなど、村の人たちの生活が少しでも豊かになったらいいな」と話していた。

 同発電設備は今年度中に小中学校や福祉施設などでも取り入れる予定。2026年度末までに村内の公共施設64施設で設置を計画している。寺尾代表は「世の中を変える重要な発電システムだと思っている。電気に対する村民の意識を変えていき、1家に1台ソーラーパネルが普及する日が来るようにしていきたい」と述べた。

スイッチを押して設備を始動させる青木村長ら
スイッチを押して設備を始動させる青木村長ら


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