体験型環境イベント「1日環境大学」(岡山県美作県民局主催)がこのほど、同県鏡野町上斎原の県立森林公園などで開かれ、県内各地から参加した家族連れら約70人が自然と人のつながりや環境保全について学び、トレッキングを満喫した。
前半の座学では、講師の北川健司中部山岳ガイド協会長(岐阜市)が頻発する台風災害にふれ、「河川の氾濫で道路が崩れたりしているが、園内のような落葉樹の森は地面がスポンジ状になっており、洪水を抑制する保水力がある」と前置き。
さらに「森の中は魅力ある”宝”でいっぱいだが、リスクも多い。現代人は日常生活で危険を感じる機会が減って本能が退化しているが、自然体験はそれを鍛えることができ、人格形成の面でもいい」と強調した。山中での骨折や出血に対する適切な応急処置もアドバイス。
このあと4班に分かれ、それぞれ草木に詳しいガイドと園内を散策。サワオトギリやヌマトラノオの花、実をつけたウリハダカエデなどの説明を受けながら観察し、写真撮影も楽しんだ。
岡山市の会社員・佐々木和美さん(47)は「自然体験の効用や山で身を守るすべも知らなかったことが多く、とてもためになった」と話していた。
このほか同町塚谷の山田養蜂場みつばち農園での採みつ体験もあった。