花粉症を完治させるための剤 発明で特許取得

経済・産業
         

 岡山県津山市大篠の農業・中山勝詮さん(82)が、「花粉症(アレルギー性鼻炎)を完治させるための剤」の発明で特許を取得した。民間療法的な発想で独自に研究してきた長年の成果という。
 花粉症は、鼻粘膜にある肥満細胞に付着するIgE抗体が一定量を超え、花粉と結合することで発症。同細胞から分泌される化学伝達物質が神経や血管を刺激することで、さまざまなアレルギー症状を引き起こす。これまでさまざまな治療薬が開発されているが、いずれも症状は緩和されるものの完治には至らないとされる。
 中山さんは大学を卒業後、家業の酪農に従事し、薬事的な知識はなかったが1997年、花粉症によるせきや鼻づまりに悩まされるようになったのを機に専門書などを参考にして我流で研究を開始。その後、鼻粘膜から原因となるIgE抗体を分離させる手法に着眼し、自身を実験台に試行錯誤した。その結果、20%の食塩とPH3の有機酸の剤を鼻腔内に1時間に連続で3回挿入。これを数日おきに3回繰り返すことで同抗体をすべて流出させることに成功したという。
 特許庁に2015年申請し、その後、幾度も修正を重ねて2022年9月末、ようやく認められた。
 「製薬メーカーとの契約を目指しており、この津山発祥の治療法で国内から花粉症がなくなることを期待している。さらに世界の患者に普及するよう努力していく」と話している。

花粉症を完治させるための剤」の発明で特許を取得した中山さん


>津山・岡山県北の今を読むなら

津山・岡山県北の今を読むなら

岡山県北(津山市、真庭市、美作市、鏡野町、勝央町、奈義町、久米南町、美咲町、新庄村、西粟倉村)を中心に日刊発行している夕刊紙です。 津山朝日新聞は、感動あふれる紙面を作り、人々が幸せな笑顔と希望に満ちた生活を過ごせるように東奔西走し、地域の活性化へ微力を尽くしております。

CTR IMG