浄土宗の開祖・法然上人ゆかりの誕生寺(岡山県久米郡久米南町里方)で、町天然記念物「逆木(さかき)のイチョウ」が黄葉し、見ごろを迎えた。参拝客らが鮮やかな姿を見上げ、晩秋の風物詩を堪能している。
樹高約10メートル、枝張りが約20メートル。1147年ごろ、15歳の法然上人が比叡山に旅立つ際、那岐山の菩提寺(奈義町高円)から杖としたイチョウの枝を挿したところ、根が上に伸びたと伝わる。
寺によると、今月初めに色付き始めたといい、例年よりやや遅め。今月いっぱい楽しめるという。19日は続々と参拝者が訪れ、境内を散策しながらさまざまな視点から眺めたり、陽光に輝く姿を写真に収めたりしていた。
岡山市から友人と訪れた女性は「初めて見たが太い幹が力強く、800年以上生きてきた生命力を感じる」と話していた。
