岡山県真庭市蒜山地方で古くから受け継がれている盆踊り「大宮踊」(国重要無形民俗文化財)が17日夜、蒜山中福田の福田神社で行われ、住民らが子孫繁栄や豊作を願う踊りの輪を広げた。
夜の帳(とばり)に浮かぶ福田神社の拝殿。「シリゲ」と呼ばれる切り絵細工が飾られた灯籠の下、訪れた人たちはしなやかな手の動きで優美に踊った。
大宮踊保存会メンバーたちの「ウワハンヨウ」という独特の言い回しが入る音頭と太鼓の音に合わせて、優雅に舞う「あおい」、歯切れのよいテンポの「しっし」などを披露。終盤に近づくと、仮装した6人組の踊り手が輪に加わり、ユーモラスなしぐさで会場を盛り上げた。
地元の小学生たちは「9月には運動会で踊るのでもっと練習を頑張りたい」と話した。
大宮踊は県下三大踊りの一つで、2022年には「風流踊」としてユネスコの無形文化遺産に登録された。
