美作地方の祭りで一年の最後を飾る「霜月狼宮大祭」が13日から3日間、桑上の貴布禰神社で開かれ、参拝者が家内安全や厄よけなどを祈願した。
境内に鎮座する奥御前神社の大祭。「狼様」とも呼ばれ、木の小宮を持って参拝する珍しい風習がある。火災や盗難、疫病よけなどに霊験があると言われ、訪れた人たちはオオカミが好むという塩を供えたり、お札を買い求めたりしていた。
本殿では神職が祈とうし、崇敬者が持参した小宮に新たな分霊(わけみたま)を迎え入れた。地区で祭っている小宮を持って訪れた近くの40代男性は「全国的にコロナが広がる中、地域の人たちの無病息災と健康を祈った」と話した。
神社によるとかつては小宮を背負って参るのが通例だったが、近年ではそうした姿は少なくなった。また小宮を受け取った後は、どこにも立ち寄らずまっすぐ帰るのが習わしという。
柳二郎宮司(78)は「疫病よけにご利益があると言われている神社。早く新型コロナが終息し、みなさんにとって明るい新年になるよう願いたい」と話していた。
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新たな分霊を迎えた小宮を受け取る参拝者