「杭州2022アジアパラ競技大会」(2023年10月22~28日、中国開催)の陸上女子T20(知的障害者クラス)の走幅跳で銀メダルを獲得した川口梨央選手(21)=岡山県真庭市=が8日、太田昇真庭市長のもとを表敬訪問し、快挙を報告した。
川口さんは鳥取市出身で、現在は社会福祉法人・慶光会(柴田智宏理事長)が運営する障害者支援施設「グループハウスひるぜん」=岡山県真庭市=に居住。鳥取県倉吉市の事業所・ドアーズに入社し、同町のNPO法人・かがやきプロジェクトの浅田陽一コーチらの指導のもと活動している。
中学3年生の時に本格的に陸上を始め、19年の世界パラ陸上競技ジュニア選手権大会で当時のID(知的障害者)日本新記録をたたき出し1位に。「バーレーン2021アジアユースパラ競技大会」でも優勝するなど実績を積み上げてきた。
今年6月に開かれたパラ陸上競技連盟公認の大会で出場権を得て臨んだ本大会では、見事な跳躍を見せて自己ベストとなる5,32メートルを記録。1位の選手との差がわずか5センチで惜しくも2位となったが、世界ランキングが11位に上がるとみられ、これからの活躍に期待がかかる。
川口さんは、柴田理事長らとともに真庭市の市役所を訪れ、「目標としているオリンピック出場までの道のりは遠くても、頑張っていく」と新たな決意を述べた。太田市長は「働きながら鍛錬に励むのは大変だが、無理をせずに頑張ってほしい。応援している。本市も鳥取県倉吉市と連携してパラスポーツの普及に努めたい」と激励した。
今後は第28回「日本ID陸上競技選手権大会」(11月11~12日、香川県開催)などが控えている。柴田理事長は「施設と事業所、NPO法人の3者が協力し、障害者たちが日々の生活とアスリートとしての活動が両立できる環境をつくっていく」と述べていた。