鏡野町 特定外来生物 捕獲されたアライグマ

自然
         

特定外来生物のアライグマ3匹が21日、鏡野町古町の鏡野自動車工業で捕獲された。同町役場によると、昨年度の捕獲数は0匹で、シカなど比べて極めて少ない。非常にめずらしいという。
 発見したのは同社で働く矢内州子さん(71)。事務所にいた際、5匹のアライグマが敷地内を通り過ぎるのを見て、役場に連絡した。後日役場からの依頼を受けた猟友会の石尾肇男さん(82)がわなを設置した。
 捕まったアライグマのうち1匹は、体長約40㌢のメス、2匹は約30㌢の子どもで、親子とみられる。凶暴な性格として知られる動物だが、3匹は落ち着いており、母親は毛づくろいをし、子どもたちは時折、「クックッ」と甘えるように鳴いていた。石尾さんは「野生動物は非常に用心深い。わな用のおりに閉じ込められた場合、逃げようとして暴れる」と述べ、「人間を恐れない様子から誰かに飼われていた可能性がある」と指摘した。
 矢内さんは「愛くるしい顔を見ていると駆除しないといけない現実に向き合うのがつらくなる」と話した。その上で、「どんな動物も『飼えなくなった』といって外に放してはいけない。責任を持って面倒を見るべき」と語った。
 アライグマは北米原産で、タヌキに似ているが尾に黒いしま模様があるのが特徴。農作物の食害のほかに、狂犬病や回虫、ウイルスなども媒介する恐れがあることから2005年に特定外来生物に指定された。
 中国四国地方環境事務所(岡山市)によると、繁殖力が強く、全国的に生息域を広げているという。県内では過去に岡山、倉敷、備前、赤磐市など南部を中心に確認されている。津山市でも見つかった。「発見した場合、各自治体に連絡するように」と呼びかけている。
 飼育については、展示や研究を目的に動物園などで飼うのは認められているが、許可書が必要となる。寿命は犬とほぼ同じで、仮に05年以前に飼い始めた人がいたとしても、亡くなっている場合がほとんど。同環境事務所は許可書無しで所有する人は現在いないとみている。


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