林野高校(美作市三倉田)生徒有志と地元の丸大製材所(同市朽木)がコラボし、SDGs(持続可能な開発目標)の啓発を兼ねて17種の県北産材を使った扇子のキットを作った。皮切りに湯郷温泉街で8日に実施した観光イベントでの反応は上々で、今後の活用策を検討している。
扇子キットは、同校3年生の「みまさか学?にぎわいチーム」の地域活性化に向けた提案を受け、湯郷温泉観光協会員の西川貴章同製材所社長(30)が考案。幅3?、長さ15?の薄板17枚はヒノキや松、ケヤキ、クリ、トチ、イチョウなど木目や色も多様な樹種が使われ、桜とモミジは津山城の伐採木を活用している。たこ糸と竹ぐしでつないで工作し、1枚ごとに「住み続けられるまちづくりを」「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」といった17の開発目標のステッカーを張って仕上げる。
8日は「フォトロゲイニング」と題して、温泉街を巡りながらSDGsに関するクイズに答えて目にした魅力を撮影、SNSに投稿した行楽客らの景品とし、観光案内所で扇子作りを体験。計91人が参加し、親子連れらに好評だった。
林野高同チームの内田悠翔さん(新野山形)は「単なる景品ではなく、自ら作ることで木やSDGsに関心を持ってもらえたと思う」。
体験工房を昨年開設し、箸(はし)作りのワークショップなどを開いている西川社長は「ひとつずつ色や香り、質感も異なる木の魅力を感じてもらえるグッズであるとともに、限りある資源を大切にするというSDGsの理念の一端も伝わるのでは。地元の方にも体感してもらいたい」と話している。
問い合わせは、丸大製材所(℡0868-72-0411)。
SDGs啓発 地元木材の扇子キット