2024年12月31日、第75回NHK紅白歌合戦で、岡山県津山市出身の稲葉浩志さんがボーカルを務めるB’zが結成36年目にして初出場を果たし、特別企画枠で圧巻のパフォーマンスを行った。
披露された楽曲は、連続テレビ小説『おむすび』の主題歌「イルミネーション」、そして代表曲の「LOVE PHANTOM」と「ultra soul」の3曲。
企画の内容はサプライズ性を重視し、ごく一部の制作スタッフ以外、司会者にも知らされていなかった。
稲葉さんは紅色、松本さんは白色を基調とした衣装で登場。告知されていた「イルミネーション」の披露後、カメラ外へ歩みを進め、会場での2曲の演奏に切り替わると、会場全体はどよめきとともに熱気を帯び、NHKホールはライブ会場のような盛り上がりを見せた。この演出は、視聴者にも大きな驚きと感動を与え、SNSでは「今日の紅白でB’zが国民的アーティストたるゆえんを目のあたりにし、会場に来た時は涙が溢れた」「B’zさんARIGATO。圧巻のパフォーマンスでした」「期待以上の事をやってくれました」「信じられない、信じられない、いや信じてた」などと、大きな反響を呼んだ。
稲葉さんの母・邦子さんは「ファンの方が送ってくれた映像を夜休む前に毎日見ています。紅白を見た人が幸せになってくれたらうれしいです」と話す。
日本を代表する歌番組でのパフォーマンスで、魅力を存分に発揮したステージは、紅白歌合戦の名場面として歴史に刻まれるものとなった。
B’zの二人がそろってテレビ出演するのは、7年ぶりだった。
2025.1.17 コラム「東西南北」
阪神大震災から30年が経過した。いつまでも忘れることはできない。午前5時46分、マグニチュード7.3の地震が発生し、岡山県津山市では震度4を記録した。
津山市内では高層ホテルのエレベーターが停止し、小学校のガラスが割れる被害が報告され、各交通機関は運転を中止するなどした。
夜が明けるにつれ、神戸を中心とした被害の甚大さが明らかになった。テレビに映し出される焼け野原になった町並みや崩壊したビル、陸橋の光景に、多くの人々が目を疑った。
全国からの支援の輪は広がり、津山からも水、食料、毛布などの支援物資が届けられ、ボランティアが現地で活動した。避難所では物資の仕分けやがれきの撤去が行われ、多くの若者らが寒さの中で奮闘した。
被災地で炊き出されたおむすびは、寒さと混乱の中で命をつなぐ重要な役割を果たした。その後、1月17日は「おむすびの日」と定められる。人と人との心を結ぶ日としての意味も込められた。
そんな人々の支えあいを思い起こさせるのが、NHK朝ドラ「おむすび」と主題歌のB’zの楽曲「イルミネーション」。特に歌詞の「心細さが勇気になる 君と一緒にいるならね」は心に残る。
人は一人では抱えきれない不安や孤独、弱さに直面することがある。しかし、そんな困難な状況が生む「心細さ」を、人とのつながりが一歩踏み出す「勇気」に変えてくれる。それだけ、人の絆は困難を乗り越える際、重要な心の支えになると教えてくれているように感じる。
30年前の震災以降、多くの災害が日本を襲った。支援の方法は変わっても、人が人を思いやる心の大切さは変わらない。「心細さを勇気に変える力」を信じ、未来に待つ困難に立ち向かう希望としたい。
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