「幸せを運ぶ鳥」とも言われ、国の特別天然記念物に指定されているコウノトリ2羽が岡山県津山市下田邑の田んぼに飛来し、住民らの話題になった。田邑地区では2020年秋以降4回目の飛来情報で、今回やって来たのは初の個体。
4日午前10時ごろ、農業・井上定夫さん(67)がトラクターで田植え前の代かき作業中、2羽がひらりと舞い降りた。餌を探してついばむ様子が見られ「過去に1羽が飛んで来たのを見たことがあるが、今回は2羽だったので珍しいと思った。地域にいいことがありそう」と井上さん。
日本野鳥の会の影山克己さん(75)=津山市山方=が、足に取り付けられた識別用の足環の撮影に成功。これまでに同地区に飛来した個体ではなく、昨年7月に鏡野町で確認されたつがいとも別の個体と判明した。
つがいかと期待されたが、ともに今年2歳になるオスで、1羽は島根県雲南市でふ化、もう1羽は京都府綾部市でふ化した個体と分かった。
今は他の場所に飛び立ったとみられる。影山さんは「田邑地区の田んぼは熱心に耕作されて餌が多く、これからも飛来してくる可能性がある。冬の間も水を入れておくと、いろいろな生き物がいるので、コウノトリの餌場になる」と話していた。