岡山県美作市の湯郷温泉は約1200年前、高僧・円仁が足を湯につけ傷を癒やしているシラサギを発見。別名「鷺(さぎ)の湯」と呼ばれている。 泉質はラジウム気泡を含む塩化物泉で、 湧出温度は40〜43度、1分間に450リットルもの湯量が湧き出ているとされており、岡山県を代表する美作三湯の一画を担っている。
温泉街には奈義町で生まれ、身長は雲を突き抜け、京都まで3歩で歩くといわれた伝説の大男・三歩太郎にまつわる場所がいくつかある。
第一は北側入り口にあたり、湯郷こども園前ロータリにたたずむからくり時計。市制施行5周年記念として制作。常夜灯をイメージしたつくりで高さ約7.9メートル、幅約4.3メートルなど、あっと驚く仕掛けがある。
温泉街の中心部には誰でも気軽に立ち寄れる無料の足湯がある。湯船をよく見ると三歩太郎の右足の形になっており、いすになっている「足の指」に腰をおろしてゆったりとしたひと時を過ごせる。

さらに西へと進むとホタルの名所として話題の大谷川を越えた美作浄化センター近くには、三歩太郎が那岐山に腰掛けておにぎりを食べていた際、中に入っていた二つの石を取り出して置いたとされる「かさね岩」がある。絶妙なバランスを保っており「落ちない」として受験生を中心に隠れたスポットになっている。
このほか、温泉街にはガラスや陶芸などの工芸品が飾られ、すべて見つけると三歩太郎の物語が完成する小さな常夜灯のほか、源泉をまつった塩湯社や、第3代天台座主を務め慈覚大師ともいわれた円仁の石像も見どころ。
また、家族連れで楽しめる湯郷温泉てつどう模型館&レトロおもちゃ館やあの日のおもちゃ箱昭和館、現代玩具博物館・オルゴール夢館など多彩な施設がある。
