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【特集ザ・作州人】四国IL徳島インディゴソックス 勝田悠斗投手/岡山県

ザ・作州人 作州人二十九、四国IL徳島インディゴソックス 勝田悠斗投手
         

 夢を追う若者の姿はいつの時代、どんな時代でもまぶしいものだ。今回の「ザ作州人」はプロ野球選手を目指す勝田悠斗投手(22)を取り上げる。津山高から愛媛大を経て今年から四国アイランドリーグ徳島の一員。決して野球エリートではないものの、左腕から繰り出されるMAX147キロの直球が武器だ。〝先輩〟としてもついつい応援したくなる。

 何度も挫折しそうになりながら、その度に立ち上がってきた。高3夏は初戦敗退。その後、左ヒジを手術し、野球から離れようか迷っていたところ、恩師が国立大としては野球に力を入れている愛媛大への進学を勧めてくれた。


 「高いレベルを経験されていた2人が後押ししてくださった。感謝しています」


 1人は当時の坂本憲保監督。岡山城東ではクレバーな投手として甲子園のセンバツ4強に貢献し、その後は早大に進んだ。もう1人は浮田圭一郎部長。こちらは米マイナーリーグでプレーし、その後記者として、マリナーズ時代前半のイチロー番を務めてもいた。


 愛媛大に入ると、その素質が開花する。高校時代133キロだったストレートは144キロへ。2年春の松山大戦では1安打に抑え、1-0で完封勝利。一躍注目を集めるようになり、本人もさらに上のレベルを意識する。


 「大学では人間的な成長ができたと思います。礼儀とかチームプレーもそう。支えてくれた家族にも感謝しています」


 次なる進路には社会人野球ではなく、四国アイランドリーグ徳島を選んだ。ひとつは、この徳島から7年連続で育成も含めたNPBのドラフト指名選手が出ていること。「それとユニフォームの藍色が気に入ったから」と少しはにかんだ。


 今年は新型コロナウイルス感染拡大により、四国ILも開幕が延期になるなど影響を受けた。一時は練習場所が確保できない苦難に立たされたが、投手組は小松海岸を走り込むなど、いまできることに取り組んだ。


 憧れの投手はソフトバンク、巨人でも活躍した杉内俊哉巨人2軍投手コーチ。実際、マウンドでの仕草も似ているが、現在は課題とされている制球力を向上させるため、投球フォームを改善中だ。泣き言は一切言わなかったが、再び壁にぶち当たっているのかもしれない。


 「いまはネットスローやハンマーでタイヤを叩くなど体の使い方など土台づくりをしています。成果は感じています。杉内さんのような脱力フォームを身につけたい」


 登場曲には同じ津山高出身のB’z稲葉浩志が歌う「OCEAN」にした。苦難を乗り越えて大海原を航海するイメージをいまの自分に重ね合わせているのだろう。


 今年は高校球児もいつもと違う夏を過ごしている。母校の後輩には「一番楽しい形、やりたい形で野球をやってもらいたい」とメッセージを送った。


 もちろん、自身の目標は1年でも早くプロ野球選手になることだ。「自分は野球エリートではありませんが、頭と身体の両方を使って、国立大でもNPBに挑戦できることを示したい」と、その言葉には魂がこもっていた。


 同じ野球部、同じ投手、しかも夢を諦めた者として、応援せずにはいられない。(山本 智行)

 ◇勝田悠斗(かつた・ゆうと)1998年1月28日生まれ。久米南中から津山高へ。2年春からエース。その後、愛媛大社会共創学部へ。1年春、全日本大学野球選手権でベンチ入り。四国六大学では通算11勝12敗。175センチ、76キロ。左投左打。MAX147キロ。


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