写真家・喜多村みかさん(38)=東京都=の県内初個展が岡山県津山市川崎のポート・アート&デザイン津山で開かれ、被写体の奥にメッセージを感じさせる意欲作に来場者が見入っている。8月2日まで。
福岡県出身で2019年、若手芸術家の登竜門「VOKA展」で大原美術館賞を受賞するなど注目を集める中、全国巡回展の一環として約50点を出展。
広島と長崎をテーマにした同受賞作「TOPOS」の連作は、平和祈念式典のテレビ中継シーンを画中画のように切り取ったり、咲き競うバラの花越しに望む原爆ドーム、平和祈念像の前を行き交う旅行客といった印象深いカットが並ぶ。
さらに新旧の作では、涙を浮かべる老女、不思議な波紋がうねる夜の海、窓ガラスの向こうにぼんやりと広がる情景など、それぞれに見る者のイメージを膨らませる。
喜多村さんは「広島や長崎に限らず、どこか遠くの場所に思いを巡らせるための方法として撮影を続けている。つながり、考えさせる場所の記録を多くの人に見ていただき、その先にある思いを感じてもらえたら幸い」と話している。
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「TOPOS」の連作と喜多村さん
写真家・喜多村みかさん(38)川崎のポート・アート&デザイン津山で県内初個展/岡山・津山市
- 2020年7月29日
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