書道教室「遊之会」を主宰する書家・山下虔華さん(60)=小原=と、今年3月に亡くなった東京大史料編纂(へんさん)所の山本博文教授の母親の眞子さんは、コロナ禍で生活する子どもたちを励ます言葉をしたためた書と額縁を東小学校(山北)に、寄贈した。
母校のためにと、山下さんの提案で、山本教授の家で保管されていた木製の額縁に書を収めて贈った。山本教授は、同校の1968年度の卒業生。近世政治史の研究やそれに関する書籍の執筆、監修をしていた。
書には墨痕鮮やかに「みなさんの心の中に龍がいます。龍は経験を食べて強くなります。今日の経験で皆さんはさらに強くなるのです」と書かれたメッセージが。
2011年の東日本大震災後に、福島県の小学校を訪れたブータンのワンチュク国王が贈った言葉で、山下さんは「龍と同様に東小の皆さんが成長することを願って作成した。元気、勇気、希望、何かを感じてもらえるとうれしい」と文章を寄せている。
小瀬善造校長は「学校のことを思ってくれて大変ありがたい。心を育てる言葉は厳しい状況下でも、子どもたちの支えになる」と語る。
作品を見ていた6年生の須原煌くんは「文字に心がこもっていて生きているみたい」、同学年の都守凌平くんは「とてもいい言葉。失敗をしても、くじけず強くなろうと思う」と話した。
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作品を眺める児童=東小
書家・山下虔華さんと、東京大史料編纂所の山本博文教授の母親の眞子さん、書と額縁を東小学校に、寄贈。
- 2020年9月14日
- 教育・保育・学校