桑山南4号墳の発掘調査で出土した特殊須恵器の一種「皮袋型瓶(かわぶくろがたへい)」初公開

歴史・文化
         

高尾の桑山南4号墳の発掘調査で出土した特殊須恵器の一種「皮袋型瓶(かわぶくろがたへい)」が、沼の津山弥生の里文化財センターの企画展で初公開されている。出土例はまれで、この種の土器としては国内最大級といい、貴重な発掘成果だ。
 市街地南部の皿川左岸にある桑山南古墳群は全国的にも知られる「佐良山古墳群」の一部で、6世紀代の5基の古墳で構成される。4号墳以外の4基は、津山南道路の整備に伴い、県古代吉備文化財センターが発掘。4号墳は直径10?の円墳で、道路工事の範囲外だったが別の開発工事が計画されたため、2020年に市が調査した。
 皮袋型瓶は革(かわ)をとじ合わせて作られた袋に由来すると言われ、朝鮮半島を経由する過程で土器に写されたと考えられるという。竪穴式石室(長さ約3?、幅約1?)の内部から見つかり、県内では5例確認されている。高さ33?、幅25・5?あり、体部が縦長の三角形の袋状で、把手(とって)など一部が欠けているものの、ほぼ完全な形。全体に模様が施されて華やかな印象を受けるほか、歪みなどもなく丁寧に作り込まれている。形としても全国的に珍しいという。
 4号墳からはほかに須恵器や馬具、鉄製品、耳環や玉といった装飾品などの多彩な遺物が出土。企画展ではパネル解説とともに須恵器などを展示しており、訪れた市民らが熱心に見入っている。
 11月30日まで。土日曜、祝日は休館。入館無料。

桑山南4号墳で出土した「皮袋型瓶」


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