◎…梅雨明けの気配が増す中、セミたちの鳴き声が響き始めた。林や街路樹などで夜ごと羽化し、真夏の秒読みを告げている。 ◎…土中で数年間過ごした幼虫が、外敵の少ない宵を待って地表にはい出し、樹上に登って脱皮。背が割れて青白い成虫が抜け出し、透けるような羽を伸ばした姿は妖精を思わせる。 ◎…アブラゼミが多く、明け方には黒褐色の体になって樹間を飛び交う。オスは「ジリジリジィー」と揚げ油を熱するかのような音色で合唱し、一週間ほどの命をおう歌する。