津山市は23日、優れた蘭学者・洋学者を輩出した共通の歴史的背景と、同じ「津」の文字を持つ島根県津和野町と大分県中津市との3市町による「蘭学・洋学三津(さんしん)同盟」を、11月に締結すると発表した。連携・協力して学術や知的観光を振興し、「蘭学・洋学のまち」をプロモーションする。
3市町の代表的な人物として、津山市は津山藩医で蘭学研究を継承してきた宇田川家3代や、外交交渉で活躍した箕作阮甫、学術結社「明六社」創立メンバーの津田真道ら。津和野町は津田とオランダ留学した西周、小説家の森鴎外ら。中津市は慶應義塾を創設した福澤諭吉、解体新書を翻訳した前野良澤らが挙げられる。
特に福澤、津田、西の3人は明六社の創設メンバーという共通点がある。また、1997年には津山市と津和野町が協力し、津田と西が学んだオランダのライデン市にメモリアルプレートを設置する顕彰事業を行った経緯もある。
津山市が昨年度、両市町に提案し合意。事業内容は▽博物館・資料館の交流と共同研究の促進▽知的観光の振興と多分野交流の促進▽連携協力による広報活動の展開―などを盛り込む。計画では、2022年度に蘭学・洋学関連施設の職員によるシンポジウムを津和野町で開催。23年度には明六社が結成150周年を迎えることから、記念企画展を共同で開く。
締結式は11月18日、津和野町長、中津市長を招いて津山市で行う。
定例会見で谷口圭三市長は「津和野町と中津市は歴史的人物などを活用した観光や文化面での先進地であり、津山市もその取り組みを学び、積極的にプロモーションしたい」と述べた。
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1津山洋学資料館
2津和野町郷土館
3中津市歴史博物館