企画展「蘭学者が見た世界ー箕作省吾と新製輿地全図ー」が15日、西新町の津山洋学資料館で始まった。幕末志士に影響を与えた世界地図などを紹介し、来館者が興味を深めている。11月13日まで。
津山藩医の箕作阮甫の養子・省吾や江戸時代の世界地理に関する資料約30点を展示。阮甫の協力の元、省吾が作製した世界地図『新製輿地全図(1844年)』は、国境線や国名など当時の最新の地理情報が表記されている。解説書『坤輿図識(こんよずしき)』、『坤輿図識補』とともに坂本龍馬や吉田松陰ら多くの志士に影響を与えた。
永井則が刊行した日本で最初の方形図『銅版万国輿地方図(1846年)』は、地名の表記法に『新製輿地全図』を参照したことがうかがえる。このほか高橋景保が幕命を受けて著した世界図『新鐫総界全図(1809年)』や細密に描いた世界地図の版木などが並ぶ。
高橋千佳子さん(78)は「地図の細かい描写に驚いた。省吾の功績について初めて知ることも多く新鮮だった」と話していた。
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江戸時代の世界地理に関する資料に見入る来館者
津山洋学資料館企画展
- 2022年10月18日
- 芸術