津山洋学資料館=岡山県津山市=の夏季企画展「箕作博士の水族館」が開かれ、東京大学=東京都=の日本人最初の動物学教授・箕作佳吉(1857〜1909)の生涯と業績をたどるとともに、佳吉にちなんで名づけられた生物を紹介している。9月22日まで。
佳吉は洋学者・箕作阮甫の孫として江戸の津山藩邸で生まれ、大学南校(現在の東大)に進んだ後、渡米し動物学を学んだ。帰国後26歳で同大教授に就任、臨海実験所の建設や動物学会の再建など、日本の動物学研究の確立に尽力した。多くの学者たちが敬意や親愛を表すため、生物の学名・和名を佳吉に献名している。
会場には著書や書簡などの実物資料と生物の写真パネル46点を展示。佳吉が著した『普通教育動物学教科書』(1904年)をはじめ、福沢諭吉や魚類学者・ジョルダンが佳吉にあてた手紙といった貴重な資料を公開している。最も知られている業績として、世界初の真珠養殖に成功した御木本幸吉に助言したエピソードにも触れている。
写真パネルは魚類を中心にミツクリザメやミツクリカクレナマコ、ミツクリギセルなど。訪れた人たちは水族館のような雰囲気の中で一点一点に見入り、佳吉が残した功績の大きさについて理解を深めている。
午前9時〜午後5時。月曜、祝日の翌日は休館。入館料は一般300円、65歳以上・高校・大学生200円。
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1箕作佳吉にちなんで名づけられた生物のパネルなどに見入る来館者