岡山県津山市出身の絵本作家・関屋敏隆さん(80)=千葉県在住=が来津し、26日に自身の著作「ぼくらは知床探険隊」54冊にサインを添えて、市内の全27小学校に贈った。
同本は2000年に出版され、第47回「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書に選定された名作。北海道羅臼町の小中学生が野営をしながら5泊6日かけて知床半島の海岸沿いを歩き、地元の自然について学ぶイベント「ふるさと少年探検隊」に同行した時のことを基に創作しており、登山ロープとザイルで断崖を乗り越えるなど厳しい自然に挑む少年少女たちの生き生きとした姿と描いている。
同探険隊は1981年から続いており、昨年度に40回目の開催を迎えたことを機に、羅臼町の子どもたちの活動を津山の子どもたちにも知ってもらいたいと考えて寄贈を決めた。
この日、山北の市役所を訪れた関屋さんは「本を通じて知床の自然を感じながら冒険気分を味わってもらいたい。さらに津山の子どもたちも同じように冒険に挑戦するようになれば」と本を有本明彦教育長に手渡した。有元教育長は「子どもたちの豊かな情操を育むために読書活動の推進に力を入れており、これをきっかけに充実させていきたい。ぜひ活用させていただきたい」と礼を述べた。
寄贈された本は後日各校に2冊ずつ配られる。
関屋さんは1944年に福渡町で生まれ、衣装デザインの仕事を経て30歳で作家デビュー。大学生のころから自転車で日本各地を巡るなどしており、その体験を基に冒険や旅をテーマにした本などを出版している。主な著作は「馬のゴン太旅日記」、「りゅうじんさまは歯がいたい」など。現在新作の発表にも意欲をみせている。
