緊急事態宣言解除後初の土日 各地に家族連れや買い物客の姿が戻る/岡山県

経済・産業
P① 客足が戻りつつあるポンパドウル津山店。感染防止策としてパンは全て包装している =17日
         

 新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が岡山県で約1カ月ぶりに解除され最初の土日となった16、17日、営業を再開した美作地域のレジャー施設などには家族連れの姿が戻った。関係者は、安どしつつ、元の人手にはほど遠いという不安も入り混じった。
 「外出を我慢した人は多かったはず。ゆっくりしていってもらいたい気持ち」。この土日に合わせ、レストラン以外を再開させた美咲町北の畜産レジャー施設「まきばの館」の矢木史郎管理事務所統括管理が語った。
 16日は悪天候だったのもあって来場は少なかったが、晴天となった17日は車が80台ほど来たという。公園の小川や遊具、花畑は幼い子どもたちでにぎわっていた。
 3歳の娘らと訪れた30代団体職員男性は「家の中や周りで遊ばせる日が続いた。人が密集しない施設が開いているのはありがたい」と話した。
 園内では、品種が豊富に揃うラベンダーが今月下旬から7月にかけて見ごろを迎えるほか、今年は夏場に向けて新たにヒマワリ畑も整備するという。
 八木統括管理は「多くの人に訪れてもらえるよう工夫しようと考えているが、遠足や観光の団体客がなくなったのは寂しい。いつ戻ってくるのか見通せない」と嘆いた。
 商業施設も、テナントの専門店などが再開に踏み切った。約3週間ぶりに開店したアルネ津山1階の人気パン店・横浜ポンパドウル津山店では、特に16日は、雨が影響してか期待以上の集客だったものの、多田晋作店長は「緊急事態宣言発令前の7割ほどにとどまる」と漏らす。
 感染の再流行防止に向けて「新しい生活様式」への配慮が求められる中、陳列する商品全てを包装し、レジに飛沫防止の透明シートを設置。床に間隔を明けて並ぶのを促す標示も施した。
 「安心して来店していただきたいが、周辺でイベントが開催されないのが客足に響いている」。現状、商品の個数を平常時の半分に減らしてコストを抑えているという。
 一方で、外出自粛の緩和に対して気の緩みを警戒する声も上がった。市内の20代歯科医男性は「感染リスクが高いとされる業種にとっては怖い。来院者が極端に減った医院もあると聞いており、拡大が強く懸念される状況に再び陥らないことを望む」と指摘している。

P② 16日に営業を再開し、子どもらでにぎわうまきばの館=17日


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