津山商工会議所の特別講演会が28日、東新町の津山鶴山ホテルで開かれ、脳科学者の茂木健一郎さん(59)が「生きがい=IKIGAIとアクティブラーニングで新しい風を!」と題して話した。
英国の出版社の依頼で執筆して反響を呼び、世界31カ国で翻訳出版されている著書『The Little Book of IKIGAI』の内容にふれ、「多様な生きがいを持つことを日本人は当たり前と思うが、外国人にとっては非常に新鮮。生きがいは脳をアクティブにし、健康長寿にもつながる」と前置き。
▽小さな喜びを持つ▽自分からの解放▽今に集中し、没入する▽多様性と調和―といったキーワードを挙げ、取材した著名人の話を織り交ぜながら「没入することが最高の状態。アスリートならそのゾーンを一生に2、3回しか経験できないが、趣味などで時間も忘れるフローは何回でもできる」と強調した。
さらに多様性と調和について現在、英国でブレークしているカツカレーなど諸外国の料理を融合させる日本の食文化の独創性にふれた一方、日本人の自己肯定感の低さを指摘。
「違いを認め合い、自分の個性に気付き、それをどう強みにするか。そこからチャレンジとアクティブラーニング(能動的学習)が始まる。脳のアンチエイジングには無駄に思われがちな雑談が大切で、免疫力が高まるし、新たなアイデアも生まれるかも知れない」と聞き入る約200人にメッセージをおくった。
生きがいをテーマに話す茂木さん