鏡野町土居出身で米国在住のシェフ・内田明日香さん(38)がカリフォルニア州オークランドで経営する創作居酒屋「Fish&Bird(フィッシュ・アンド・バード)」が、ミシュランガイドや米国の著名な雑誌で紹介されるなど有名店に成長し、注目を集めている。父・一仁さん(66)が経営する津山市二階町の「串カツ 聖」で学んだ技と味、料理人の精神を受け継ぐ。
幼いころから一仁さんに教わって英語を習っていた内田さん。津山東高校食物調理科を卒業後、聖で7年ほど修行した。当時の様子を一仁さんは「料理が好きで、店でもよく創作料理に挑戦していた。何も教えてはいないが、親の背中を見て学んだのでしょう」と振り返る。その後、オーストラリアで1年経験を積み、米国に渡って3年ほど前に同店をオープンさせた。
モダンで洗練された日本料理が評判の居酒屋スタイルのレストラン。提供するのは添加物を一切使わない手作り料理で、高校や父の店で培った知識と技術、アイデアを込める。日本から輸入した食材と地元食品とともに、一仁さんが手作りしたユズコショウなども使い、独創的な味を堪能できる。
ミシュランガイドのほか、ライフスタイルなどを紹介する有名雑誌『Esquire(エスクァイア)』による「ベストニューレストラン2021」で全米ベスト40にリストアップ。各方面から高い評価を受けている。新聞やテレビの取材もあり、店は繁盛し、多忙な日々だという。
「津山で学んだことを生かし、健康に気を付けながら一層精進し、日本料理の良さを多くの人に伝えてほしい」と一仁さん。娘のさらなる飛躍に期待を込め、成長を見守る。
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1「聖」で修行していた当時の家族写真。右が内田明日香さん