津山市内の215カ所で高齢者が取り組んでいる「こけないからだ体操」をベトナム国内で展開させようと、同国保健省の幹部職員らが来津した。14日、総社の東公会堂を訪れ、市の介護予防事業を視察した。
本邦研修で津山を訪れるのは今回で2度目。保健省人口家族計画総局(GOPFP)のグエン・ドウアン・トゥ総局長(59)ら13人は、地域のお年寄りたちと一緒に励み、運動効果や現場の雰囲気などを体感した。
市は、ベトナムで介護予防支援を行うJICA(国際協力機構)の「草の根技術協力事業」に協力し、2018〜20年の間、訪問などして現地の高齢化対策に貢献。少ない動作で体を鍛えられる上、高齢者たちの交流のきっかけにもなっていることから、ベトナム政府から高い評価を得て、今年から活動を再開。ハノイ市をはじめ、ハイフォン、タイビンなどの4省での実施を目指している。
グエン総局長は「本国では高齢者が集まって体操する機会が少ない。体を動かし、おしゃべりが楽しめる場をつくるのは国民の健康寿命向上につながる。まずは指導者を育てて、各地域に広めていくようにしたい」と語った。
総局長らはこのほか、13日に山北の市役所で地域包括ケアシステムについての研修を受け、川崎の石川病院を視察した。
12月には、作業療法士の市職員らが渡航し、インストラクターや指導にあたるリーダーを育成する。安本勝博作業療法士(51)は「現地の人材を育てていくことで、津山市との国際交流が盛んになることも期待している。多くの人に体験してもらいたい」と話している。
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こけないからだ体操を体験するベトナム保健省の幹部職員ら
「こけないからだ体操」ベトナム幹部職員らが視察