岡山県津山市で知的障害のある自閉症児と健常児の娘を育てながら、インスタグラムで家族の日常をユーモアを交えて発信している蓬郷由希絵さん(39)=アカウント名 tomagou.don=。「動画を見て、子どもと向き合う人が増えてほしい」と笑顔で話す。
コミカルな表情と明るいキャラクターで笑いを誘いながらも、育児に対する本音を語る姿は真剣。「元気をもらえる」「育児に前向きになれた」と子育て世代や障がい児を持つ母親らから共感を呼び、フォロワー数は12月現在約3.8万人を超える。
小学6年生の次女が自閉症と診断されたのは2歳の時。多動があり、あやしても笑わず目も合わせないことに違和感を覚え、病院を受診した。「初めは“何で自分の子が”という思いもあったが、大学時の卒業論文のテーマが自閉症児だったこともあり、『絶対この子を幸せに育ててやる』と決心した」
そこから、親族の集まりや地域のイベントに次女を連れて積極的に参加。初めは場の雰囲気になじめず泣いてしまうことが多かったが徐々に慣れ、周囲の理解も進んでいったという。
「子どもの力を信じて経験させること、最後までやり抜くことが大切。たくさん笑って楽しく子育てする姿をこれからも届けていきたい」