岡山県は地震や豪雨によるため池の決壊を防ぐ手段の一つとして、高所から低所へ液体が流れる「サイホンの原理」を活用した排水装置の導入をため池管理者らに呼びかけている。
2018年の西日本豪雨で県内の農業用ため池が決壊したことが経緯。同装置は応急ポンプなどと比べ安価で、設置が簡易的な上、無動力で水位を抑制することができることから、緊急時の安全対策の一つとして推進している。
津山市金井の深田河内池で開かれた研修会では、津山、岡山市などの関係職員ら37人が参加。ため池保全管理サポートセンターの職員から原理の説明を受けた後、参加者は管の組み立てから設置、池の貯留水を水路に流す作業を実践した。
美作県民局管内のため池1916カ所のうち、決壊によって人的被害をもたらす可能性があるのは630カ所とされる。