家族の介護や世話、家事などで生活に過度な負担を抱える子どもや若者たち「ヤングケアラー」について理解を深める研修会が22日、市総合福祉会館=岡山県津山市=で開かれ、市地域包括支援センター職員や居宅介護支援事業者らが現状を見つめ、できる対応を考えた。
同事業者と同支援センターの情報交換会の一環で実施し、約60人が参加。社会福祉士で川崎医療福祉大学の直島克樹講師(岡山こども食堂支援センター代表理事)が子どもの貧困対策センターに寄せられたアンケートやこども家庭庁の調査などを基にヤングケアラーの実情と具体的支援に向けた体制について語った。
直島講師は家庭の中で大人に代わり重要な役割を担っている子どもがいる背景にはなどさまざまな要因があることを説明。その中の一つ、親に疾患や障害があるケースでは「就労の難しさなどから生活が困窮し、その負荷が子どもにかかる。これは家庭の問題を家族間で負担する割合が大きく、子どもが頑張らないと生活が成り立たなくなる社会の仕組みに問題がある」と指摘。
その上で、親子双方の支援と子どもが安心できる居場所づくりの大切さを強調し、「どんな状況でも社会とつながりを作れるように学校や社会福祉協議会、医療など多岐にわたる専門分野が垣根を越えて連携した地域をつくる。各分野の相談員同士も連携する必要がある」と訴えた。
さらに「子どもがSOSを出せない状況にさせない、出してもそのままにしない、長期にわたり寄り添う支援の展開を」と話した。