美作大学・同短期大学部(岡山県津山市)の客員教授3人による連続講演会「地方創生論」の初回が、美作学園創立100周年記念館(北園町)で開かれた。前鳥取県知事で元総務大臣の片山善博氏が「ポストコロナ時代にどう取り組むか―地方創生の新たな展開」と題して話した。
学生と一般の約130人がオンラインで聴講した。片山氏は移住促進による地方創生に対し「日本全体で見たら人口減少は止まっておらず、この政策はあまり効果的ではなかった。限られたパイの奪い合いではなく、出生数が上がるよう子を生み育てやすい環境を作るほうに力を入れるべき」と指摘。
DX(デジタルトランスフォーメーション)については「役所のデジタル化が特に重要。オンラインで手続きができれば住民は役所に行かなくてよく、役所側も効率的で手間が省ける。国任せにせず、自治体のほうが先行して住民の便利のために考えていくと自治体DXが進むと思う」。その上で「人口増加策など地域のことは地域で考えることが最も重要で、国の言うことを素直に聞いていたら地盤沈下する。国をたしなめるくらいであってほしい」と述べた。
オンラインでの講演は今回のみで、27日は前京都府知事の山田啓二氏が「日本社会の持続可能性について」と題して話した。
最終回の2023年2月1日(午後0時40分〜)は、前岩手県知事で元総務大臣の増田寛也氏が講師を務める。申し込み、問い合わせは、同大地域連携推進室(☎0868-22-7718)。
「地方創生論」片山前鳥取県知事語る