岡山県真庭市蒜山地域の旭川水系・天谷川に生息する県天然記念物で絶滅危惧2類に指定されているカワシンジュガイを守ろうと、同市教委と川上こども園(蒜山上福田)の園児が21日、蒜山上徳山地内の同川で貝の幼生の宿主となるアマゴを放流した。
カワシンジュガイは氷河期の生き残りとも言われる淡水二枚貝で、内面には真珠光沢があり、大きさは10~15センチほど。水温が20度以下に保たれた清流をすみかとし、県内では蒜山地域の天谷川と小原川に生息。春から夏までの間の繁殖期に生まれた幼生は、魚のえらやひれなどに2か月ほど寄生し、川底に潜って成長する。
この日は年長児12人が参加し、生涯学習課の宮本かづみ学芸員から生態について説明を受けた後、蒜山塩釜養魚センターが用意した体長15㌢ほどのアマゴ150匹をバケツに入れ、「大きくなってね」と声をかけながら川へと放った。
梶本悠護君(5)は「子どもの貝はとても弱いので助けてあげたいと思った。アマゴと友だちになって仲良く過ごしてほしい。貝と魚が住んでいる川はいつもきれいにするように注意する」とにっこり。宮本学芸員は「川に生息する生物も地域の大切な自然資源の一部。大切にして環境保護に対する意識を持ってもらえたらうれしい」と話している。
この後、同市職員らも150匹を放流した。この取り組みは絶滅していたと思われていたカワシンジュガイが1999年に発見されたことで、生息地の保護を目指して2002年に始まり毎年実施している。
