美作市湯郷に昨年12月に開館した「小松崎茂美術館」の記念講演会が19日、同所の湯郷地域交流センターで開かれ、ファンら約80人が異能の画家の作品世界に浸った。
同美術館は、空想科学イラストやプラモデルの箱絵など挿絵画家として活躍した小松崎茂さん(1915〜2001)の原画などを展示。小松崎さんの長年のファンで親交のあった竹中信清さんが開館させた。
講演会は、同美術館の向かいにある「湯郷あの日のおもちゃ箱昭和館」の入館者10万人も記念して開催。はじめに、東京の昭和館の林美和学芸課長が「小松崎茂の画業について」と題し、少年サンデーの口絵を手がけるなど活躍の足跡を紹介。「小松崎さんの原画は東京でも一時的な企画展でしか見る機会がないが、湯郷ではいつでも見ることができる。大切に守り、全国にPRすれば資料価値が上がるので、地元の人も作品と美術館を大事にしていってほしい」と呼びかけた。
続いて、広島県呉市の大和ミュージアムの戸髙一成館長が「小松崎茂の船の絵を語る」を演題に話した。軍艦などの作品を映し出しながら「船を描くには船を知らないといけない。突出して迫力を持った絵を描くことができるのは、軍艦に対する知識の蓄積が大きい」と強調した。参加者は興味深そうに耳を傾けた。
「小松崎茂の画業について」をテーマに「小松崎茂美術館」の記念講演会開催! / 岡山県美作市