岡山県津山市内の魅力的な景観を守る・つくる取り組みを顕彰する本年度「市景観賞」(建築部門)に、「コーヒースタンド福寿湯(勝間田町)」が選ばれた。奨励賞(同部門)は鳥取銀行津山支店(大手町)。表彰式が19日、山北の市役所で開かれた。
「コーヒースタンド福寿湯」は城東重伝建地区の旧出雲街道沿いに位置。1890(明治30年)に開業し、戦後数年まで営業され、そのあと倉庫として使われていた建物を2015年に銭湯の面影を残しリノベーションを施した。周囲の町家づくりの建物を背景に、レトロな雰囲気が城東の街並みの魅力を高めている。
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鳥取銀行津山支店は同支店60周年を機に2023年、新築オープン。中心市街地の鶴山通り沿いに面しており、外観はガラスのカーテンウォールとブラウンの縦格子を組み合わせることで明るく開放的な店舗デザインを導入。夜間はライトアップを行い、ドラマチックな景観を演出している。
式には福寿湯店主の廣戸達哉さん(37)と、同支店・鼻渡信幸支店長(51)が出席。谷口圭三市長がそれぞれ表彰状と記念品を授与。廣戸さんは「自分の生まれ育ったまち。じいちゃん、ばあちゃんのいるまちで商売をしたかった。銭湯に通っていた記憶をよみがえらせてくれた方もいる。100年後もこの風景を残したい」、鼻渡支店長は「60周年の節目の一昨年10月にオープン。津山のメイン通り鶴山通りが明るくなったという声をいただいている。地元の皆さんの協力で建てられた。より一層一人ひとりに寄り添い、地域に貢献したい」とそれぞれ述べた。
谷口市長は「重伝建地区、そして津山のメイン通りにそれぞれ、新たな彩りを与えていただき、感謝している。地域特有の魅力を生かしたまちづくりに共に取り組みたい」と激励した。
同賞は市景観条例が施行された2016年度に創設。市民投票と市景観審議会で選考した。
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