「思い出そう それは詐欺♪」。岡山県・美咲署は、管内の高齢者に公募した歌詞を使った特殊詐欺被害防止ソングを作った。広報活動などで歌い、住民に注意を呼びかける。
社会問題になっている特殊詐欺の被害防止への機運醸成を図ろうと企画した。作曲を元県警音楽隊楽長の野村俊一さん(75)=岡山市=に依頼。歌詞は管内の美咲町・久米南町社会福祉協議会と連携して公募し、応募者の黒瀬文子さん(71)=美咲町打穴下=の作品が採用された。メロディーに合う伴奏を、美咲町立中央中学校1年で国際的なピアノコンクールで優秀な成績を収めている田上陽斗君(13)が作った。
曲調はお年寄りが覚えやすく、歌いやすいよう、ゆったりとしたテンポ。歌詞は「のったらいけん 詐欺の手口に」といった岡山弁を交え、「お金が戻るという電話」「電気料金未納です」など、うまい話や身に覚えのない話に注意するよう訴えている。
美咲署=美咲町打穴中=で27日、制作に関わった3人への感謝状の贈呈式があり、野村さんの指揮で同ソングを発表。美咲町で活動しているグループ「ムジカなかよし」のメンバーとともに出席者がキーボードやウクレレに合わせて歌声を響かせた。
同署によると、特殊詐欺被害に関する相談が増えているといい、今後、街頭啓発活動で歌うなどして被害防止に役立てる。