岡山県北部で開かれる国際芸術祭「森の芸術祭」に向けて勝山高校=岡山県真庭市=の生徒5人が、勝山文化往来館ひしおの協力のもと、観光の目玉となるスイーツの開発に取り組んでいる。20日は真庭市の同館の喫茶コーナーで第1回会議が行われた。
真庭市が企画を立ち上げて依頼。商品は芸術祭の開催期間中9月28日から11月24日までの販売を予定している。この日は勝山町並み保存地区に店を構える和菓子店・きくや菓舗の菊谷真紀子さん、竹井商店の竹井克之さん、勝山観光協会でガイドを務める瀧﨑太さんから、地域の歴史と銘菓について学び、今後の計画を練った。
瀧﨑さんは、1764(明和元)年に国替により三河国西尾藩(愛知県)から来た三浦明次が勝山藩を立て、美作国2万3000石を治めたといった歴史を語り、竹井さんが同所の雛祭りで雛段に供えられるまんじゅう「おいが」について説明。「愛知県のいがまんじゅうと同じ菓子で、三浦明次に従って来た家臣らが伝えたとみられる」と話した。
そして菊谷さんは、祖父で店の創業者・清さんが、三浦藩主の子孫から家紋と名前の使用許可を経て開発した「二万三千石」(全国名菓大博覧会出品特等賞受賞)と、清さんが提供したレシピを元につくられ、1960(昭和35)年ごろから約30年販売されていた木田天神堂の「丸太棒」を紹介。生徒たちは2品を試食してその味を確かめた。
経験を将来に生かしたいとして参加を決めたという普通科の2年・安達帆菜さん(17)は「アイデアを膨らませるのにとても役立った。自分たちが考えたお菓子が店頭に並ぶ姿を思うとわくわくする。普通では体験できないことができるのはうれしい」と話していた。
会議は7、8月に全4回開く予定で、次回は具体的なメニューを考える。