岡山県北を舞台にした「森の芸術祭 晴れの国・岡山」の開幕を前に、各会場では準備が進められている。展示会場の一つ、津山市東新町の城東むかし町屋(旧梶村邸)では、花道みさざき流家元で華道家の片桐功敦さん(52)=大阪府堺市=が津山産小麦を使ったインスタレーション(空間芸術)の制作に励んでいる。
片桐さんは国内外での個展、ワークショップを中心に活動している。今回は「風土」をテーマに乾燥させた小麦7アール分を使い、国登録有形文化財の町屋の土間に、傾斜のある土台(高さ約4メートル、約7メートル)を設置。床と一体感が生まれるように土を施した斜面を小麦が覆うような仕上がりになる。
13日からマネージャーと制作に取り組む片桐さんは「津山が育んだ穀物とそこで耕し続ける人々の歴史を違和感なく溶け込ませ、今まで見たことがない作品を表現したい」と話している。
このほか同所では片桐さんの生け花のほか、音や楽器を使ったインスタレーションを展開するタレク・アトゥイさん、写真を軸に作品を手がける八木夕菜さんがそれぞれ作品を展示する。
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