県重要無形民俗文化財「横仙歌舞伎」の大公演(奈義町など主催)が22、23の両日、岡山県勝田郡奈義町豊沢の町文化センターで開かれた。町内外から多くのファンが訪れ、江戸期から受け継がれてきた「地下芝居」の魅力に浸った。
初日は約300人が来場。横仙歌舞伎保存会による「恋女房染分手綱 重の井子別れの段」が上演された。母・重の井と、生き別れていた幼い馬子・三吉との別れを描く情愛劇で、歌舞伎三大子別れの一つとして知られる名場面。
演者は重の井の揺れ動く心情を細やかに表し、三吉が母の正体に気付く場面では張りつめた空気が広がった。見せ場ではおひねりが舞い、客席の熱気が高まった。
このほか、横仙こども歌舞伎教室の「三番叟」なども披露され、力いっぱいの演技に温かな拍手が送られた。
23日は「あんまと泥棒」「仮名手本忠臣蔵 五段目」などが上演された。
