美作大学幼児教育学科出身の松山沙和佳さん(23)=東一宮=の自作絵本『だいじだいじ』が完成した。初出版本で、松山さんは「読んだ子どもたちが、大切な人や宝物などを思い浮かべて、温かい気持ちになってくれたらうれしい」と語っている。
絵本はB5版で16㌻。主人公の女の子が、大事に保管されている母親のぬいぐるみを発見するところから物語が始まり、ぬいぐるみをとおして母親の過去にふれ、自身への愛情を知る内容となっている。
かわいらしい人物やぬいぐるみが色鉛筆を用いたやわらかいタッチと配色で描かれているのが印象的で、本文やイラストの配置なども読みやすいように工夫しているという。仕事と両立させながら制作に打ち込み、完成までに約1年半かかった。
松山さんは市内の保育、幼稚、こども園33園と児童館4館に絵本を寄贈しようと15日、山北の市役所を訪れ、「子どもたちが”大事なもの”を見つけるきっかけをつかみ、心の成長につながれば」と谷口圭三市長に手渡した。
谷口市長は「本にふれることは、想像力やコミュニケーション能力などを育むのに重要。協力していただきありがたい」と感謝の意を伝え、「すばらしい作品をつくった才能を生かし、創作を続けてほしい。応援している」と激励した。
幼いころからストーリーを考えたり、絵本を読んだりするのが好きだった松山さん。いくつものアイデアをノートに書き留めており、「今後も郷土で活動していきたい」と志を持ち、励んでいる。本はこのほか、市内の医療機関にも寄贈している。
「温かい気持ちになって」