大正から昭和初期まで10数年間のみ製造された貴重な「舗道れんが」が使用され、美作地域初の土木学会選奨土木遺産の認定を受けた「翁橋」(岡山県津山市宮脇町、西今町)の認定書と銘板の授与式が2022年12月14日、現地で開かれた。市は歴史的価値を顕彰していくため、れんがの一部が見えるよう強化ガラスを設置したほか、路面全体にれんが模様の型押し着色舗装を施した。
藺田川に架かる同橋(長さ10㍍、幅9・8㍍)は、1926(大正15)年に木橋から鉄筋コンクリート造に架け替えて建造された。2020年2月に市が実施した橋の修繕設計に伴う試掘調査で、橋面のアスファルトの下が特殊なれんがで舗装されているのを発見。大正から昭和初期に橋面がれんが舗装された橋りょうは数少なく、当時の舗道れんがが全面に残っている極めて貴重な事例として、9月に同遺産に認定された。
式典では、城西保育園の年長児が「上を向いて歩こう」を合唱。河合研至土木学会中国支部長が「地域の宝として守り続けてほしい」とあいさつし、谷口圭三市長に銘板などを手渡した。市長は「まち全体を博物館に見立てた構想を進める中で大切に生かしていきたい」と述べた。
強化ガラス(80㌢四方)は2カ所設置したほか、宮脇町側には説明板を立てて銘板を取り付けた。
「翁橋」(宮脇町、西今町)の認定書と銘板の授与式 開催