「考える人」のブロンズ像で知られるフランスの彫刻家、オーギュスト・ロダン(1840~1917年)作の「オルフェウス」像が、美作市江見の作東文化芸術センターから、同所の作東バレンタインホテル1階ロビーに移設された。自由に見学できる。
県北で今秋開かれる「森の芸術祭」に合わせて企画した。「近代彫刻の父」とも称されるロダンの貴重な作品で、ブロンズ像の高さ(台座を除く)は1.5メートル。世界に12体あるうちの一つという。
1993年に落成した同センターのシンボルとしてエントランスで常設展示していたが、人目に触れる機会が減っていたため、再び光を当てようと移設した。
オルフェウスはギリシャ神話に登場する人物で、死んだ妻エウリュディケーを連れ戻そうと黄泉の国に降りたが、冥界の王との約束を破ったため、望みを果たせなかった。絶望に震えて竪琴をかき鳴らすオルフェウスを、ロダンは激流のような姿態に託して表現している。
同ホテルでは、今回の移設を芸術祭第1弾と位置付け、〝泊まれる美術館〟としてさまざまな企画を展開する計画。世界的に有名なフランスの画家、レイモン・ペイネの「愛と恋人」をテーマにした作品も展示中だ。
山口智司支配人は「ランチやカフェの利用と合わせて、世界的にも貴重な作品をゆっくりと鑑賞してほしい」と話している。
問い合わせは、同ホテル(TEL:0868-75-1115)。