岡山県津山市の作州城東屋敷で、愛知県の犬山商工会議所名誉会頭・日比野良太郎さん(82)を講師に招いた講演会「そうだ! 活気ある街づくりのヒントを聞こう!」が開かれた。
日比野さんは国宝・犬山城を擁する犬山市の中心市街地復活の立役者として知られている。シャッター通りだった犬山商店街はピーク時で出店希望者176店の順番待ちを記録した。
駅前の大型商業施設開業によりシャッター通り化した犬山商店街を憂えた日比野さんらは、TMO法人のまちづくり会社を設立。空き家・空き店舗を借り上げて城下町の風情を生かした魅力ある改装を施し、負担を家賃に上乗せしてゆっくり回収する仕組みを導入した。「(家主は)みんなプライドの塊。三顧の礼を尽くした。シャッターを開けるのが仕事。金儲けが目的じゃない。でも儲かって仕方なかった」と語った。
「ディズニー方式を導入した。犬山城という装置を使って365日日替わりイベントをすることを考えた」といい、ドイツのオクトーバーフェストを参考にした「ビールまつり」や「カリフォルニアワインまつり」「どぶろくまつり」などの「酒イベント」を矢継ぎ早に開催し、どれも大ヒットさせた。
新しいご当地グルメの「恋小町だんご」や「三光稲荷神社のハートの絵馬」など女性受けを意識した商品づくりが話題に。また再開発に伴う道路の拡幅工事により歴史的建造物が消えることを危惧して反対派組織を立ち上げ、道路拡幅の是非を問う市長選を戦い、すでに着手していた都市計画道路の方針を覆させた。このほか城前300メートルの電線類地中化は「星が見える」と人の心をつかみ、大勢の反対を押し切って行った、祭りの日の人の一方通行は「これ以来毎年そうなった」と語った。
「津山は犬山以上のポテンシャルがある。何でもやってみて。若者であふれる津山の商店街を見てみたい」と呼び掛けた。
講演会は佳い街の会(畑則子代表)が主催。市民約60人が参加した。