彫刻家・阿部光成さん(46)=東京都=が奈義町内に今月から滞在し、石彫の制作に励んでいる。12月中旬には完成させ、町現代美術館(豊沢)付近に設置する。
アーティストレジデンスの一環で同町が招へいし、B&G海洋センター艇庫=奈義町荒内西=をアトリエに公開制作。重さ約2トンの黒御影(みかげ)石に向き合い、背後に望む那岐連山のイメージをテーマにした造形にのみを入れている。
「滞在初日に那岐山へ登り、雄大な自然に抱かれて感じた優しさや静寂さ、悠久の時をも表現できれば」。
時折り興味津々に訪ねてくる町民らと気さくに接し、地域交流も楽しんでいる。
東京都出身。都立芸術高校時代に彫刻家を志し、東京芸術大学彫刻科、同大学院彫刻専攻を経て、国内各地で精力的に活動を展開。
「思い通りにならない石という素材は、対話しながら彫り上げていく感覚がいい。見る人の感性や創作意欲を刺激するような作品にしたい」と意欲を燃やす。