「防災」をテーマにした大人の社会見学第3弾「共助」が9日、岡山県津山市の東苫田公民館で開かれ、参加者は災害発生時のシミュレーションゲームを通じ、避難所設営に関する理解を深めた。
本年度の津山市生涯学習講座の一環で行われ、最終日となる今回は市民や市近辺に住む21人が受講。日本防災士会岡山支部の神田敬三防災士(65)が講師を務めた。
始めに「避難所運営ゲーム(HUG)」を実施。机の上に敷かれたシートを避難所、カードを被災者に見立てて進めていくゲームで、限られた情報をもとに避難してきた人たちを誘導したり、発生したトラブルに対応したりする方法を学んでいく。
「車いすが通れる通路をつくる」「生活スペースを設置する時は、同じ地区の人たちがまとまるようにする」などのルールを聞いた後、参加者は3グループに分かれて挑戦。住所や家族関係、人物像を読み取りながら、カードを配置したり、「トイレが使用できない」といった問題の対応策を話し合ったりした。
この後、テントや簡易ベッドを組み立てる体験も行った。初めてゲームに参加したという津山市北園町の芦田泰さん(85)と妻の美代さん(77)は「避難所は多くの問題が立て続けに発生する。緊迫した状況を感じ取るのに役立だった」「状況を見定めて、冷静な対応ができるように何度も挑戦して学んでいきたい」と話した。
神田防災士は「避難所を設置する前に必要な準備についても学べるゲーム。学校や町内会でも取り組んでもらえたら」と語っている。