山本宗補写真展「震災から何を学びますか?」岡山県津山市のアルネ津山4階・市立図書館前スペースで開かれ、列島各地の震災被災地で撮影した惨状や復旧の様子をとらえたカットに来場者が見入っている。6日まで。
「ふくしまっ子津山でのびのび元気回復夏休み親子保養プロジェクト実行委員会」が主催し、写真家・山本宗補さん(70)=長野県=が34点を出展。
能登半島地震(今年1月)で壊滅した石川県珠洲市の集落や焼野原と化した輪島市の朝市通り、東日本大震災(2011年3月)による津波で船や家屋が折り重なった宮城県気仙沼市の港町、原発事故警戒区域の福島県浪江町で取り残されたままミイラ化した牛たちなど、平穏な日常を一変させた惨状が並ぶ。熊本地震(16年4月)で全壊した公民館や住宅の発生直後と1年後の比較写真、満開の桜を背景に重機で取り壊される住宅も印象深い。
会場の一角では、同実行委が2012年夏から実施している「ふくしまっ子津山でのびのび元気回復夏休み親子保養プロジェクト」を紹介し、東日本大震災被災地の人を支援する「ひまわりプロジェクト」用の種を希望者に配布している。
田口雄司同実行委事務局長(66)=新田=は「国難と言われた大震災でさえ風化しつつある。山本さんのライフワークを通じて、長い時を経ても疲弊したままのまちがあり、苦しみを抱えたままの人が大勢いることを広く知ってもらいたい」と話している。