介護老人保健施設・ケアガーデン津山の「あじさいコンサート」が20日、岡山県津山市河辺の同施設で開かれ、入所者と通所者計約70人が、ピアノやフルートが奏でる童謡や懐かしのメロディーに耳を傾けた。
音楽を聴くことで心理的な向上効果が期待できる「音楽療法」に着目し、利用者たちの気持ちを充実させようと、1998年の開所から取り組んでいる。非常勤職員の高見恒代さん(70)を筆頭に、市内で音楽活動しているボランティアが月2回、季節に合った楽曲を披露するほか、年に1回コンサートも開催して楽しませている。
この日は、3歳のころからピアノを始め、作陽音楽大学で33年教鞭をとった経験のある赤堀昌枝さん(92)=上之町=も出演。「90歳を過ぎると寝て、起きて食事して、元気に過ごせることがありがたく感じる。みなさんも一日一日を大事にして過ごしてほしい」とあいさつし、クラッシック音楽の名曲「春の声」(ヨハン・シュトラウス2世作曲)を元気よく弾き、会場を盛り上げた。
このほか、普及型のハンドベルとして開発された「トーンチャイム」の演奏もあり、参加者は優しい旋律に合わせて歌詞を口ずさむなどして和やかに過ごしていた。93歳の通所者の女性は「すばらしい演奏で気持ちが上向きになり、体が軽くなったような感じがする。次回も楽しみにしている」と話していた。
