2025年は岡山県津山市が市町村合併し、「新しい津山市」として誕生してから20年。人口減少や少子高齢化などの課題がある中、未来への新たな一歩を踏み出す年となる。
現在の津山市は2005年2月28日に久米町、勝北町、加茂町、阿波村を編入し、「新しい津山市」として発足した。
これは1995年の合併特例法に始まり、1999年から2010年にかけて国が推進していた市町村合併、いわゆる「平成の大合併」によるもの。自治体を広域化することにより行財政基盤の強化、地方分権の推進を目的としたものであった。
この時期、全国を見ると市町村数は約3200から約1700へと半減し、平均人口は約3万7000人から約6万9000人に増加。岡山県内の市町村は78市町村から27市町村になった。合併の際は前向きな話ばかりではなく、周辺部の旧市町村の活力低下や住民サービスの低下などの懸念、また、故郷が無くなるのではという不安の声も囁かれた。
あれから20年。合併後の津山市では、少子高齢化と人口減少が深刻な課題となっている。2005年の人口は約11万1499人だったが、2024年には約9万5333人と、約1万5236人減少。旧阿波村地域では人口減少が著しく、小学校も閉校した。
このような状況の中、市は持続可能な地域づくりを目指し、各地域の特性を活かした事業を展開してきた。津山駅周辺の整備や小中学校の耐震化、幼稚園の再構築などを進め、各地域でも下水道整備や公民館の整備、道の駅のリニューアルなど、地域のニーズに応じた取り組みが現在も行われている。
2025年2月11日には、「津山市合併20周年記念式典」がベルフォーレ津山で開かれる。第1部では、市政功労者表彰式とともに、中山間地域懇談会委員などの功労者に感謝状が授与される。第2部では、旧久米町出身の和太鼓奏者・坂本雅幸氏を講師に迎え、「津山の未来に響く鼓動」と題した和太鼓の演奏を交えた講演が行われる。
大合併から20年を経て、これからも地域の歴史を胸に、生き残りをかけた継続的なまちづくりは続く。