【特集】いざという時に備え 「みまさか防災隊」が伝える 子どもたちに遊びや工作を通じて/岡山・津山市

教育・保育・学校 初めて開かれた防災塾の様子(美作大提供)
初めて開かれた防災塾の様子(美作大提供)
         

 いざという時に子どもたち自身で自分や家族の命を守ってほしいー。美作大学の防災士資格を持った学生らで結成された「みまさか防災隊」は、岡山県津山市内の児童館などで出前教室を開き、地域の子どもたちに遊びや工作を通じて防災知識や備えの大切さを伝えている。

「みまさか防災隊」の学生が手作りした「防災かるた」
「みまさか防災隊」の学生が手作りした「防災かるた」

 自然災害が多発している昨今、防災知識を持った地域人材の需要の高まりから、同大では全学科を対象に防災士の養成講座を開いており、本年度は新たに50人が資格を取得した。得た学びを実践したいという思いから、隊長の児童学科3年の木村莉緒さん(21)を隊長に、ボランティア活動に携わる学生で2024年7月に結成。現在1~4年生12人が活動している。

 これまで地域コミュニティや児童館などから依頼を受けて「防災塾」と呼ばれる出前教室を4回実施した。このうち国分寺のコミュニティハウスふたばで初めて開いた防災塾では、メンバー6人と地元の子ども12人が新聞紙を使った即席スリッパやポンチョを作り、学生手製の「防災かるた」を一緒に楽しんだ。

新聞紙で即席スリッパを作る子どもたち
新聞紙で即席スリッパを作る子どもたち

 かるたの絵札には同大のマスコットキャラクター「ミマッパちゃん」のかわいらしいイラストを描き、「備えよう 水や食べ物3日以上」「災害用伝言ダイヤル『171』」といった防災に関する知識を読み札にわかりやすくまとめた。遊びの中で興味をもってもらえるように工夫を凝らした。

 さらにボランティア活動の一環で、9月には能登半島地震で被災した石川県輪島市、珠洲市をメンバー3人が訪問。家屋の片づけや仕分け作業、ブロック塀の解体、運搬、液状化した地面から床下の泥をかき出すなど支援を行った。復興が進んでいない現状を目の当たりにし「自然災害の恐ろしさ、自分たちの生活がどれほど恵まれているか実感した」と振り返り、改めて備えの大切さを感じたという。

 このほか、高齢者対象の出前教室や、地域の防災イベントへ参加など活動の幅を広げている。木村さんは「津山市は災害が少なく、防災意識が低いと聞く。子どもたちに楽しく防災について学んでもらい、普段お世話になっている人たちの命を守る手助けができたら」と力を込める。

 問い合わせや依頼は、同大ボランティアセンター(TEL:0868-22-7715)で受け付けている。

学生と一緒に「防災かるた」で遊ぶ小学生
学生と一緒に「防災かるた」で遊ぶ小学生


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