【特集】地域の未来を担うアスリート 「津山ジュニア陸上競技教室」 多くの記録保持者を輩出/岡山・津山市

教育・保育・学校 陸上競技場トラックでのダッシュ=岡山県津山市で
陸上競技場トラックでのダッシュ=岡山県津山市で
         

 岡山県津山市に根ざした「津山ジュニア陸上競技教室」では、地域の未来を担うアスリートたちが日々鍛錬を重ねている。小学4年から6年生までの子どもたちが集うこの教室は、競技力の向上を目指すだけでなく、仲間との友情や礼儀を重んじながら、スポーツに臨む真摯な姿勢が見られる。

 1987年に設立された津山ジュニア陸上競技教室は、これまでに多くの記録保持者を輩出してきた伝統ある陸上チーム。現在は市内を中心に46人が所属し、10人の指導者が在籍する。内容はリレー、100メートル、ハードル、走り幅跳び、走り高跳び、ジャンベリックボール投げがあり、指導者の多くは陸上経験者で、全員がボランティアとして子どもたちを支えている。

 教室を率いる大場耕治室長は、「それぞれの選手が持つ強みを引き出しながら、陸上競技の普及と強化に努め、県大会や全国大会などで活躍できる選手の育成を目指している」と話す。練習では、体幹の安定性を養うトレーニング、正しいランニングフォームの習得、瞬発力や俊敏性の強化に加え、フォーム作りに重点を置いた本格的な指導などが行われる。

瞬発力や俊敏性を高める練習を行う選手
瞬発力や俊敏性を高める練習を行う選手

 全国大会で活躍した選手も多く、2024年には2人の選手が100メートル競技で県大会優勝し、全国大会に出場した。そのうちの一人、小学5年生の後藤心暖さん(11)はA決勝で3位、岡山県学童新記録(NPE)をつくり、クラブ内でも一目置かれる存在。2025年は年女。「走ることが好きで教室に入りました。コーチが意識するポイントを教えてくれます。来年は全国大会優勝を目指したい」と抱負を語る。

全国大会に出場した後藤心暖さん
全国大会に出場した後藤心暖さん

 また、この教室では競技だけでなく、礼儀礼節や思いやりも重視している。「今のところは一度もないですが、いじめが発覚した場合は厳しく注意します。場合によっては、教室から退会してもらう厳格な方針を取っています。教室の選手らは学校も学年も異なる子が多いですが、仲が良いです。他の陸上チームとの友好関係も大切にしています」と大場部長。取材の日も、選手たちは互いに声援を送り合いながら全力で練習に取り組んでいた。練習後には、コーチや保護者に対して、選手一人ひとりが「ありがとうございました」と感謝の言葉を述べて、練習を締めくくる姿が爽やかだった。

 「スポーツの基本を、楽しく、仲良く、鍛えよう」を理念に掲げる津山ジュニア陸上競技教室。地域の子どもたちのがんばりとともに成長を続けるこの教室から、これからも全国で活躍するアスリートが生まれる日が待ち遠しい。

 問い合わせは(TEL:090-8069-9751)。

ランニングフォームを養う練習
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練習後に挨拶する選手たち
練習後に挨拶する選手たち

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