太陽光発電施設の建設に絡み、ニュースサイト「日刊SPA!」の記事で名誉を毀損(きそん)されたとして、谷口圭三津山市長が扶桑社(東京都)に損害賠償330万円の支払いや記事の削除、訂正広告の掲載などを求めた訴訟の判決で東京地裁は28日、市長の請求を棄却した。29日に市役所で会見した市長は「さらに争うかは今後慎重に検討のうえ判断したい」と述べた。
記事は2021年8月26日付で配信されたもので、上田邑での太陽光発電事業をめぐり、市長が事業者から高額接待を受けたとする疑惑を報じた。判決は「事業者から高額接待を受けた事実が存在すると認めることはできない」としつつも、記者が入手した情報にについて取材源の信用性は高いものといえ、裏付け取材も行っていることから、「高額接待を受けたことが真実と信じるのに相当な取材活動を行ったと認められ、被告について不法行為は成立しない」とした。請求をいずれも棄却し、訴訟費用は原告の負担とする。
谷口市長は北村行夫弁護士と会見に臨み、コメントを発表した。
請求が認められなかった点は誠に遺憾。しかし、高額接待を受けた事実が存在すると認めることはできないとした点については、所期の目的が果たされたとして一定の評価をしている。ただ、名誉毀損があること自体は認めながら報道内容について、あまりにもずさんな裏付け調査しか行われなかったにも関わらず、被告側に違法性阻却事由たる実相当性が認められた点については、不当な判断と認識しており、この点をさらに争うかは今後慎重に検討のうえ判断したい。
【谷口圭三津山市長 訴訟棄却】ニュースサイト「日刊SPA!」への掲載記事に / 岡山県津山市
- 2023年3月30日
- 行政・公共