かつて“東洋一の鉱山”として栄えた柵原鉱山。その当時の様子や人々の暮らしを伝える岡山県久米郡美咲町吉ケ原の「柵原鉱山ふれあい公園」は、楽しく学べる体験型スポットとして、県内外から訪れる家族連れらでにぎわっている。
同公園は、鉱石の輸送用に作られた片上鉄道「吉ケ原駅舎」と操車場に、柵原鉱山資料館や広場などを整備し、1998年に開園。芝生が広がる園内には当時のまま残る駅舎、輸送用貨車や客車計12両を展示保存している。
三角形の「とんがり屋根」が印象的な旧吉ケ原の駅舎は、現在は公園入口となって入園者をお出迎え。プラットフォーム、線路も立ち入り可能で、そのレトロなたたずまいから近年、愛車や友人たちと写真撮影を楽しむ若者の姿も多いという。
資料館1階では、鉱山町の住宅や自転車店、ホルモン焼き屋など鉱山最盛期の昭和30年代の町並みを再現したセットをはじめ、鉱山で働く従業員家族の模型、映像コーナーがあり、当時のにぎわいが見てとれる。さらに実際の採掘作業音が聞こえるエレベーターで地下1階に移動すると、実寸大の坑道が出現。地下400メートルで行われていた採掘の様子が学べる。実際に使われていた鉱車や削岩機、鉱石が輸送されるまでの流れをパネルでわかりやすく解説している。

このほか、園内には江戸時代に貨物を積んで吉井川を下った高瀬舟のレプリカ、坑内軌道車両を飾っている。公園西側には片上鉄道駅舎の特徴的なベンガラ色の三角屋根を再現した黄福柵原駅も。
同公園では「昭和を知る人には懐しく、若い人には新鮮に感じられる場所。柵原鉱山の歴史を見て、触れて、体感してもらいたい」と話している。
資料館は午前9時〜午後5時(4時半受付終了)。高校生以上520円、小中学生310円、小学生未満無料。月曜休館。5月7日は休館。
同公園へはJR津山駅から中鉄北部バスで約40分。吉ケ原停留所下車すぐ。
問い合わせは、柵原鉱山資料館(TEL:0868-62ー7155)。
